頭痛・首こり・肩こり・寝違い・むち打ち・ストレートネック・頚椎症・胸郭出口症候群
上に挙げた疾患は、細部を除き基本的に治療は同様です。
ストレートネックは近年特に多い疾患の一つです。仕事で長時間パソコンを使用されている方などは、俯いた格好で顎を前に突き出すような姿勢を長時間続けていますので、後頚部の緊張を強いられます。数十分に一度休憩を入れるように言われたり、会社によってはある時間ごとにパソコン画面に休憩や体操を入れたりするよう指示が出るところもあるようですが、あまり実行されていないかできないようで、なるべくパソコン画面が目線の高さになるようにしてよい姿勢を保つくらいしか対処のしようがありません。スマホも同様です。
施術後に、なるべく下を向かないような姿勢を保ち、首に硬めに巻いたバスタオルなどやストレッチポールのようなものを首の下に敷き、仰向けに3分ほど寝て首のカーブを付けるような一種の矯正を行うとより効果があります。テニスボールを2個ガムテープで巻き、後頭骨と首の境目辺りに当てて同様のことを行うよく知られた矯正法がありますが、日常的に行うとよいでしょう。
頚椎症で椎間板の変性で骨棘が生じて神経を圧迫してしまっている場合(広義の骨の異常)には、筋緊張を緩めて治療するという鍼の適応外ということになりますが、例えば仮に痛みを発生させている原因が、頸部の筋緊張と、骨棘の影響が共にあるのだとすれば、頸部の筋緊張を解くことで痛みが軽減するということはありえます。
筋緊張性頭痛に関しては、上記の頸部への刺鍼で大小後頭直筋を緩めて神経の圧迫を解ければ大抵は治まっていきますが、頭部がガチガチに硬くなっている場合には、頭皮への刺鍼も加えて頭部筋の緊張を緩め、血流を回復します。顎関節周りの硬い筋肉が影響を与えている場合もありますので、その場合は首の治療を数回受けて頂いてから、仰向けの姿勢で顎関節の治療を行います。耳鳴りは、上記の首への刺鍼に数本加えます。治ると断言はできませんが、慢性化しておらず、低い音だったり、出たり出なかったり、音が時々変わったり、耳下の経穴(ツボ)に刺入した時にスカスカではなく弾力性のあるものに当たったりする場合には治る可能性があります。めまい・難聴も耳鳴りと同様の治療です。